みなさんこんにちは。
この記事を作っているのは8月15日、終戦記念日です。
広島県呉市にある大和ミュージアムでは戦時中の記録がたくさん展示され、戦争のむごさを五感で感じられるようになっています。今の日本は戦争で亡くなっていった方たちが描きたかった未来の日本なのか、私を含めみなさんも少しだけ考えてみてほしいと思います。
さて、今回からグッドライフフェア2022に出展・出品する予定の樹種をご紹介していきます。
【一位】
イチイ科イチイ属の植物で庭木によく使われており、幼少期に赤い実を食べたことのある人も多いのではないでしょうか?
木材としての特徴は、成長が遅く年輪が密になるため良材とされ、古来は弓の材料に使用されていました。色彩は外側の辺材は白く、芯材は褐色で華やかさを持ちながら経年変化によって暗褐色(飴色)へと変化していきます。
当工房で使用している一位の素材は本来であれば撤去され廃棄される予定の大切な想いの詰まった【看板】を加工し、形を変え販売を行っています。
看板の由来
長野県駒ヶ根市と宮田村の間、中央アルプス駒ケ岳には千畳敷カールへと続くロープウェイが架けられています。その千畳敷カールへ出発する駅舎、しらび平駅を代表する看板として長年観光客の記念撮影のシンボルとなっていた看板を縁があり引き取ることができました。
看板の設置者は林野庁、撤去の依頼も林野庁からで一位の大木を中心に、唐松、栗、カツラ、ネズコ、檜と信州を代表する木材によって看板全体が形成される作りとなっていたことも林野庁らしさが出ていたと感じました。
撤去した場所はさら地になってしまっており、新しく看板を設置する話は聞こえてきていないので、観光客やしらび平駅の皆さんにとっては少し寂しい思いをしているのではないでしょうか。
最後に一位の経年変化についてお知らせしたいと思います。
私が扱ってきた木材の中では一番変化しやすい(変化が美しい)樹種の1つだと思います。
クルミ油や蜜蝋ワックスによって仕上げを行い、数ヶ月ほど紫外線にあたりながら生活をしていると、オレンジ色だった木材がだんだんと飴色へと変化していきます。
東京ビッグサイトにも経年変化した深みのあるワイングラスを持っていければと思って準備をすすめていきます。
その変化した深みのある飴色の色彩と質感はとても価値を感じやすく、大切な看板であったことや、立派な大木であったことを思わせ、一層大切にしていっていただけると感じております。
グッドライフフェア2022では、SDGsのイベントとして豊かな生活をスローガンに掲げていますが、まずは貴方の手の中から地球に優しい活動を始めてみませんか。
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