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漆かぶれの症状と対策|木を想う職人が漆塗りを始めた理由

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ぶっちゃけ、漆が好きなんじゃない。木をより美しく届けたいだけなんだ。

というわけで今回は、最近始めた漆塗りと、それに伴う“漆かぶれ”のリアルな体験をお届けしようと思います。(画像はハリギリと栃に黒漆を塗った木軸ペン)

今のところ生漆に接する度に100パーセントかぶれています。
【私の複数回に渡ってかぶれた経験を記載しますが、病院に通院しなくても良いかなと思う程度のかぶれの体験でした。初めての漆かぶれの場合には皮膚科を受診することをおすすめします。】

このブログでは漆塗を始めたきっかけと漆かぶれの症状と対策を記載しています。
これから漆塗をはじめようと思っている方やかぶれに苦しんでいる方にとって少しでも参考になれば幸いです。
意外と簡単に始めることができる漆塗りですが、かぶれを甘く見た結果こんなはずではなかった。と思う方を少しでも少なくできればと思います。

木軸ペンに興味を持ってくれている方へ、漆塗を行った木軸ペンのブログは次回アップするのでそちらも楽しみにしてくださいね。

漆塗を始めたきっかけ

・東京新木場のステッキ屋さんでタモに黒漆塗をした製品を見せてもらった時に私もやってみたいと思いました。
 この時まで、特に手触りの関係から私はすべての木材はオイルフィニッシュで良いのではないかと思っていましたが、タモに黒漆塗を施したステッキの仕上がりに感動し、木目の良さをより良くすることも必要かもしれないと後々漆塗りにチャレンジしていきたいと思うことになりました。

・木軸ペンでより良い樹の良さを発信したい
 私は基本的に木軸ペンはオイルフィニッシュが良いと思っています。それは手触りの問題が一番、経年変化による愛着が生まれることも木軸ペンを大切に想い活用してもらえるきっかけになると考えています。
ただし、例えば栃のように少し柔らかく傷が付きやすく、汚れも目立ちやすい樹種には漆のようなコーティングを施すことで木軸ペン向きに樹の良さを【より良くすることもできるだろうな】と考えることもあります。
それは今回の漆塗りの場合、栃、タモ、メイプルがそれにあたりました。欅については漆塗りで木目がよりはっきりとし、素晴らしい仕上がりになったのですが、オイルフィニッシュの仕上がりでも欅の良さは伝わるのかなとも思っています。

かぶれました。思っていたよりも“強敵”だった。

・かぶれを甘くみていなかったけどかぶれた話
 漆塗りにチャレンジしようと思ってから4年ほどが経過しようやく塗りを始めたわけですが、今はインターネットで漆を購入することができるので昔に比べて塗りを始めるハードルは下がっていると思います。
自分なりに書籍やネットで漆について調べ、かぶれないように十分に気を付けて作業をはじめた【つもり】でした。


それでも、【かぶれ】ました。
かぶれてかぶれて、辛い思いをしたので、漆が甘くないことを漆に興味がある方に知っていただければと思っています。※漆かぶれには個人差があるようです、私個人の体験を記載していますので参考にしていただければ幸いです。

このブログは漆塗りを始めて2か月間で5回ほどかぶれた【実体験】です。

漆かぶれってどうなるの?

・漆塗から6時間後から徐々に異変が
 漆塗り作業を終えて、6時間ほど経過すると、な~~んか違和感。
患部がシカシカする、モジモジするような感覚に気が付きます。キタコレ☺!とも思います。

・ずっと色々なところがかゆい!!
 徐々に色々な場所にかゆみが出てきます。
患部が飛んだり、広がってくるイメージですね。

・特に皮膚の弱い場所に症状が出てかゆくなる
 私の場合困ったのが顔のまぶた周辺がパンパンに腫れて外出できない顔になってしまい、建設会社の同僚からは【誰?】みたいな。
特に他社の方と打ち合わせをする機会がある時には気まずく、顔を見られたくない思いをしました。
普段の建設業の仕事に影響が出てしまってお互いに申し訳ない思いを何度かしています。
他にもわきの下や下腹部など、普段外界から守られている場所にかゆみが出てきます。

・かゆい場所をかくとめちゃくちゃ気持ちいい!!
 困るのが特に夜、じっとしているのが辛すぎます。
特に手の指回りが腫れてかぶれ、うっかり刺激したときなんて、、とっても気持ちいいいんです。
お湯で温めるとかゆさUP!食器洗いやお風呂でもかゆくなります。
基本的にかいちゃダメなんですが、かきむしると・・・めちゃくちゃ気持ちいイイ!!→その後罪悪感。

・かゆい部分を刺激すると症状が悪化する
 かきむしった部分は当然熱を持ち腫れが拡大します。かぶれた部位の厚みが増すイメージです。

・かゆくて夜寝れなくなることも
 そう、寝るときはじっとしているので刺激に敏感になり。寝れなくなります。

・症状が出てから3日位が特に症状がひどく、1週間位我慢すると回復する
 2日~3日かけて症状が悪化し、その後少しづつ症状が改善されていくイメージを持っています。
1週間我慢すればなんとかなると思い漆を塗る際は覚悟をきめています。
その後完治するには1か月ほどかかるかと思いますが、問題は漆塗りは1回では終わらないこと。

・お酒を飲むと
 細胞が活性化されかゆみが増します!。
かぶれた際には大人しくしていることを推奨します。

・回復していく過程で皮がめくれる
 顔のまぶたの周辺や鼻の周りの皮膚がパリパリになって皮がむけました。
再生途中の皮膚は弱くなるのでピリピリした刺激が訪れます。

基本的にはこのような流れで漆かぶれは症状が出て、次第に治っていきます。
調べた資料では漆かぶれでは死んだ方がいないこと。
治ること。
この2つは間違いがないみたいです。

それから、かぶれがうつると思っている人もいるので、その方達に対する説明や対策も大切なことと思います。お互いが嫌な思いをしないように気を付けなければいけませんでした。

自分なりに試した「かぶれ対策」

・作業時の対策
長袖での作業
ゴム手袋
顔にクリームを塗り、マスクを着用
皮膚が弱そうな場所を触らない

・かぶれた後
冷やした濡れタオルで冷やす(かなりおすすめ)
かぶれ部分にクリームを塗布
刺激しない
漆に近づかない
サングラスを使って顔を隠す


かぶれたことを想定したスケジュールを組み、後に塗りを行う

漆塗りの問題点

・漆作業の空気で感染する(と感じる)
 経験上いくら漆が皮膚に付着しなくてもその作業環境にいるだけで体の中の細胞が拒否反応を起こしかぶれます。これはもう慣れるか覚悟をきめるしかないと感じています。

・問題は、塗り重ねるたびに・・かぶれる
 一番の問題は、【漆塗りは1回では終わらないこと。】
恐ろしいですね、実に恐ろしい問題ですが、漆塗りは塗り重ねることで艶や奥光りが増してきます。
漆塗りは乾燥(硬化)した後でないと塗り重ねができません。
そして乾燥にはだいたい1日かかるのですが、私の中では仕上げまでに最低5回は漆塗りを重ねる作業を行っていて【その度に100パーセント】かぶれています。
そう、つまり1つの作品を仕上げるのに5回かぶれるってことです。 恐ろしいですね。。

かぶれに慣れる?

漆を扱っている人の体験談では少しづつ漆かぶれに対する耐性ができてくると聞くことがあります。
慣れるまでの期間は1年ほど。個人差はあると思うのですが、私の少ない経験の中でも少しづつかぶれによる腫れ方が大人しくなってきたように感じます。
それから、かぶれて腫れが収まるまでの時間が少しづつ短くなってきたと感じた時に、もう少し漆を続けられるかも。と思えました。(今ここ)

今思っていることは、体が漆に耐性を付けることと、作業をする際によりかぶれにくい姿勢や工夫によってかぶれを予防する。
その両方が少しづつ改善されてかぶれにくくなっていくのだろうと思っています。

それでもやっぱり、漆は魅力的

漆の良さは上で述べたように、生地を強くすること、汚れに対する保護膜をつけること、木目を際立たせることです。

特に私は白系の樹種の汚れ対策として漆塗りは木軸ペンに適している樹種があると思っています。
すべての樹種に漆塗りにて塗装することを必要と思ってはいませんが、適材適所で木材ができるだけ輝くように個性を伸ばしていきたいと考えています。

これから漆を始める人へ伝えたいこと

・無理をしない
 漆が肌に合わないと感じたらニスなどを利用されることを検討されるといいと思います。
無理に漆を使う理由はないでしょう。私はめげないタイプなのでもう少し漆に向き合ってみたいと思います。

漆かぶれは体調によっても違ってくると聞いたことがあります。
忙しい中で、疲れている中で、暑さでバテている中ではかぶれやすくなることが予想されます。
自分の中で折り合いをつけて作業されることをおすすめします。
 

おわりに 〜めげずに樹の良さを発信したい〜

・現在の取り組みについて
 漆塗りをやってみたいと思ったきっかけのタモや栃、メイプル、欅などはとても漆塗りに有用な樹種だと感じています。現在は木軸ペンやお皿に漆塗りをしていますが、色々な木工製品に漆を塗ってみたいです。特にコップやグラスなど飲み物を入れて楽しめる食器にも加工してみたいですね。
まずは自身で使ってみたいものを作成してみて、同じように使ってみたいと思っている方がいれば少しづつ販売をしていきたいと考えています。
身の回りの製品を少しづつ使い捨てのプラスチックから、人の想いを乗せた製品に変えていければいいですね。

最後に妻や職場の友人から、漆にかぶれるたびに言われる一言  【懲りないね】



またよろしくお願いします☺

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